幸福な無名時代

貧しい読書生活の軌跡

2005年9月
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 


過去の日記
2005年09月(1)
2005年08月(5)
2005年07月(2)
全て表示

日記内を検索


お気に入り
Ship in the bottle−引越し先
言葉の淵−私の友人・椎葉氏の自作の詩サイト


さるさるおすすめ
こだわりショッピング
無料日記を借りよう!


メニュー
プロフィール
メールを送信
お友達に知らせる
携帯へURL送信
更新お知らせ
GET XML New!


管理者ログイン
パスワード

count

さるさる日記

2005/09/28 (水) 引越しのお知らせ

Livedoorブログに引っ越しました。
最新の記録はこちらまで。
Ship in the bottle

2005/08/17 (水) 『グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉』飛 浩隆

人間の訪問が途絶えてから千年、AIたちが同じ夏の一日を繰り返す仮想リゾート「夏の区界」に、崩壊のときが訪れる…。「廃園の天使」三部作開幕篇。(AMAZONより)

感想後日・・・。

2005/08/12 (金) 『クマにあったらどうするか

―アイヌ民族最後の狩人姉崎等』

(語り)姉崎 等 (聞き手)片山 龍峯

アイヌ最後の猟師の言葉、そこに生き残るための知恵がある。 大きなクマなら安心だ。危険なのは人間の食べものの味を覚えた若いクマ。単独で40頭のヒグマを仕留めたアイヌの老狩人が重い口を開いた。これまで、誰も語ることのできなかったクマの本当の姿が、半世紀を超える猟師経験にもとづいた豊かな表現で語られていく。聞き手は、アイヌ語研究者であり、『NHKスペシャル』『生きもの地球紀行』など数々のドキュメンタリー番組を製作する片山氏。3年におよんだ最後のインタビューを終えて帰ろうとする片山氏に対して、老狩人は語りかける。「クマに組み伏せられても生き延びる方法がある」と。絶体絶命の場面に遭遇しても生き残る術とはどのようなものなのだろうか。正解は本書の中に! (AMAZONより)

妻の実家で怠惰な夏休みを送りながら読み終えました。

日本には、北海道のヒグマと本州・四国(九州は絶滅?)のツキノワグマの2種のクマが生息します。語り手がアイヌ民族最後の狩人ということからもわかるように、本書で主に扱われているのはヒグマということになります。ヒグマは大きいもので体長約2mにもなる巨獣です。そんなクマに意図せず出会ってしまったら、どうすればよいのか。その対処法がかなり具体的に、記されています。

全編インタビュー形式で読み易く、語り手の実体験に基づいた言葉のひとつひとつが重く、興味深い。語り手がクマ猟をはじめるまでの半生、アイヌのクマ猟の実際、クマにあったらどうするか、クマと人との共生のありかたなどをテーマに、語りはとめどなく続きます。語り手の話の矛盾する点などを詳細に尋ねるちょっとしつこいくらいのインタビュワーも良い感じです。

仕事柄、山林を歩くことの多い私には参考になりましたが、車中から見た300m先のツキノワグマにびびりまくった私には、「クマに会っても逃げてはいけない」という本書の教えは守れそうにありません。

2005/08/11 (木) 『順列都市』グレッグ・イーガン

(訳)山岸 真 早川文庫

記憶や人格などの情報をコンピュータにダウンロードすることが可能となった21世紀なかば、ソフトウェア化された意識、コピーになった富豪たちは、コンピュータが止まらないかぎり死なない存在として、世界を支配していた。そのコピーたちに、たとえ宇宙が終わろうと永遠に存在しつづけられる方法があると提案する男が現われた…電脳空間の驚異と無限の可能性を描く、キャンベル記念賞、ディトマー賞受賞作。(AMAZONより)

前に途中で頭がこんがらかって読むのをやめてしまった小説。夏休みに気を取り直して再読。こんどはしっかり最後まで読むことができました。

コピーとしてコンピューターの中に生きる人格を通じて、意識とは?・自我同一性(アイデンティティ)はどこから生まれる?といったテーマを主題にしています。ほかに、コンピュータ内における人工生命、罪と罰、観測者問題なども小ネタとして登場。SF的アイディア盛りだくさん。

物語としては、ちょっととっつきにくい感は否めませんが、かなり衝撃的な作品。すれっからしの30代(つまり私くらいの年代)ではその衝撃をいなしてしまうので、高校生くらいの、つまり衝撃を吸収しやすい年代にぜひ読んでほしい作品だと思いました。

2005/08/02 (火) 『プールサイド小景・静物』庄野 潤三

新潮文庫。

庄野潤三の短編集。収められている作品は以下のとおり。

1) 舞踏
2) プールサイド小景(←第32回芥川賞受賞)
3) 相客
4) 五人の男
5) イタリア風
6) 蟹
7) 静物

印象に残っているのは、舞踏、プールサイド小景、静物の3品。いずれも一見平和そうに見える、でも崩壊の不安を孕んでいる家庭を描いた作品。「舞踏」は夫の浮気、「プールサイド小景」は夫の失業、「静物」は妻の自殺未遂。

出てくる夫婦は、静かな夫婦で、お互いを罵り合ったりすることはせず、だけど静かに壊れそうになっている。あぁ、夫婦が壊れるときってこんな感じなのかなぁとリアルで怖い話です。壊れるところは描かず、壊れる予感だけで終わっているところが心憎い。

↓私の好きなBECKのShip in the bottleという歌の歌詞みたいな雰囲気。
But I know you're gonna try
To live without love by and by
But that's not living
That's just time going by
Going by, my love

ほか4作品は、私小説風。私は好きだけど、好みが分かれるところだと思います。

8/1にあげた村上春樹の本、それにこの文庫版の解説者・山室静は、「庄野潤三の頂点は「静物」で、それ以降はこの作家は袋小路に入っている」という趣旨の文章をそろって書いている。どうなんだろうか。

2005/08/01 (月) 『若い読者のための短編小説案内』村上 春樹

文春文庫。

村上春樹による日本の作家6人の短編小説の紹介。
それぞれの作家の作家人生のなかで、画期的な1編の短編小説を選んで、
その短編小説の内容・構成から、作家の特質、才能、限界などを考察してます。

また、それぞれの作家における、エゴ・外圧・セルフの扱い方などを図解してます(一部図解していない作家あり)。ムラカミ流精神分析における定義は以下のとおり。

エゴ;こころの内部からの圧力。欲望など、
外圧;社会的な圧力。戦争など、
セルフ;エゴと外圧のせめぎ合いのなかで生じる自己認識

紹介される作家・作品は以下のとおり。(最近このパターンだな・・・)
1) 吉行淳之介「水の畔り」
2) 小島信夫「馬」
3) 安岡章太郎「ガラスの靴」
4) 庄野潤三「静物」
5) 丸谷才一「樹影譚」
6) 長谷川四郎「阿久正の話」

妻がこの本を読んだおかげで、最近我が家の本棚には、上に挙げた作家の古本がはびこっている。安いから良いのですが。

ある作家が、別の作家の作品を紹介する文章は、少なからず、他の作家の作品を通して、自分の作品の紹介をしているものがありますが、この本もそんな個所が多々あります。でも、それぞれの作品を読みたくなること請け合いです。私は多分全部読むことになる気がする。

2005/07/30 (土) 『祈りの海』 グレッグ・イーガン

山崎 真編・訳 早川SF文庫

オーストラリアのSF作家グレッグ・イーガンの1989年から1998年ころまでの短編集。収録されている作品は以下のとおり。

1 ) 貸金庫 The Safe-Deposit Box
2 ) ぼくになることを Learning to be me
3 ) 繭 Cocoo
4 ) 百光年ダイアリー The hundred light-year diary
5 ) 誘拐 A Kidnapping
6 ) 放浪者の軌道 Unstable Orbits in the Space of Lies
7 ) ミトコンドリア・イブ Mitochondrial Eve
8 ) 無限の暗殺者 The Infinite assassin
9 ) イェユーカ Yeyuka
10) 祈りの海 Oceanic

訳者・解説者(瀬名秀明;パラサイト・イブの作者)が解説しているとおり、また、一読すればわかるとおり、様様なスタイル・世界設定をとりつつも、共通のテーマはアイデンティティ。

思春期の頃はだれでも、「人は死んだらどなるの?」とか「自分って何?」といったことを思い悩んだりしますよね。そんなこと考えても詮無いことと切り捨てることで大人になるのかも知れませんが、著者はそんなことを論理的に考え抜いている人。

そして、この小説集は読者の自意識・価値観の根拠を揺るがす衝撃的なアイディアの詰まったSF小説。最近の長編に比べて奥行きは深くないものの(例外;祈りの海。スケール大、奥行き深し。)、ガーンとくるアイディアが揃ってます。

2005/07/27 (水) 『象られた力』 飛 浩隆

たまには日本のSF小説も読まなければいけないなぁ(←何で)と思い、購入しました。日本のSF界のことはよく知らないので、星雲賞(日本のSFファンがその年一番のSF作品を選ぶことで決定される賞)をとった短・中編小説集ということで、当たらずともはずれまいと思い選びました。

収録されている小説は以下のとおり。
1) デュオ;SFサスペンス
2) 呪界のほとり;ファンタジー色強い
3) 夜と泥の;遠未来SF
4) 象られた力;遠未来SF

小説の世界に引き込む文章の力が強い作家だと感じました。特に、小説集の表題になっている「象られた力」の後半部分は、ググッと世界に引き込まれました。翻訳SFとちがい、はじめから日本語で書かれているというところも大きいと思います。

ただ、SFのひとつの醍醐味である(空想)科学的な背景説明が弱く(例えばグレッグ・イーガンのしつこいくらいの論理的な説明など)、その点、ファンタジーとして楽しめば良いのですが、SFとしては少し物足りなく感じてしまいました。あと、少し登場人物が漫画的に過ぎるところも気になりました。

でも、とりあえず他の作品も読んでみようと思います。

2005/06/13 (月) 『庭のつるばら』 庄野潤三

丘の上に二人きりで暮らす老夫婦と、子供たちやたくさんの孫、友人、近所の人たちの心温まる交流。妻の弾くピアノの練習曲、夫の吹くハーモニカの音色。孫たちが飼っている小動物、庭にくる小鳥。そして丹精されたつるバラ。どこにもある家庭を描きながら、日々の生活から深い喜びを汲み取る際立った筆致。一貫して「家族」をテーマに書きつづけて来た、庄野文学五十年の結実。(新潮文庫 カバー裏より)

太宰治は『如是我聞』という文章のなかで、志賀直哉の文学を「妻子が可愛いだけじゃねえか。」と青筋立てて批判してますが、もし太宰がこの本を読んだら卒倒するのじゃなかろうか。まさに、妻子・孫が可愛いだけだといった本。

郊外の庭付き一軒家に生活する作家先生の優雅な日々をつづった作品。

カバー裏・解説文ともに”どこにでもある家庭”というが、果たしてこれほど優雅な生活を送っている家庭が現在の日本でそれほど一般的であるか、少し疑問です。生活に困らない程度のお金、ゆったりと流れる時間、親戚・友人・近所の人たちとの交流。ホリエモンのブログを読んでいても、ちっとも羨ましく思いませんが、庄野先生の生活は心から羨ましく思います。

妻は、読後「淡々としすぎていて、家族の仲が良すぎて、何か裏にありそうで怖い文章だ」との感想。それは深読みしすぎだと思うのですが、確かに裏になにかありそうにも思えるくらい淡々とした文章。

2005/06/08 (水) 『終わりの始まり ローマ人の物語XI』 塩野七生

しばらく更新していませんでした。
この間、本を読んでいなかったわけではないのですが、ちょっと忙しく・・・。

気を取り直して。

なぜ優れた哲人皇帝の時代に「帝国の衰亡」は始まったのか・・既成の歴史観に挑む塩野七生版「ローマ帝国衰亡史」がここに始まる(帯より)

本棚の整理中に見つけて再読。
ローマ人の物語は塩野さんのライフワークで、1年に1冊のペースで律儀に毎年書き下ろされているシリーズです。この11巻までは律儀に出版されるたびに購入してきました。最近は、古いものが文庫で出版されはじめたので、文庫を待つことにしてますが、いつまで我慢できることやら。

それはさておき、この巻の主人公は哲人皇帝マルクス・アウレリウス、そのどら息子皇帝コモドゥス、軍人皇帝セプティミウス・セヴェルス。時代は2世紀から3世紀。

著者はこれまで聖人のように扱われてきた最後の5賢帝マルクス・アウレリウスの治下においてローマ帝国の衰亡は始まっていたとします。徹底したマキャベリストの著者は、マルクスがはまった哲学については冷淡で(ご立派ですこと程度のあつかい)、彼の軍事・政治の結果を冷静に分析、誠実真摯に問題に対応したが経験不足で軍事の才に欠けた皇帝だったと結論づけます。

映画「グラディエーター」にも登場したダメ皇帝コモドゥスについては、皇帝初期の治世についてはそれほど悪くなかったと持ち上げて見せます。

軍人皇帝については、帝国のためによかれと思ってしたことが逆に帝国の弱体化を早めたと分析。

冷徹で説得力のある文章、男たちを女の目線で断じる(つまりイイ男かそうでないか)視点、読者の興味をひくためにあえて卑近な話題を提供するサービス精神。売れるわけです。XII巻、文庫化を待たずに買ってしまいそうです。

☆話題のブログを始めよう!☆
魔法の☆ブログ オートページ かんたんブログJUGEM かわいいブログ ヤプログ!