映画三昧日記帖

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さるさる日記

2010/02/06 (土) 『崖の上のポニョ』

花粉症の薬を飲み出す。が、ものすごい睡魔に襲われる。
シーズン過ぎるまで飲み続けなきゃいけないとのこと。これはもう公害だよ。
薬を軽いものに代えてもらったが、それでも一日中ぼんやりしてる。

○『崖の上のポニョ』(2008/宮崎駿)−−脚本演出画面構成:宮崎駿。
それはゼリーのようなめらかさを持った奇妙な波なのだが、それらの水の描写が圧倒的に素晴らしい。また金魚のような人面魚であるポニョの柔らかさの描写、コウスケ少年の芸の細かい仕草。癒し感を感じさせるこれらの動き、それだけでもアニメーター必見の作品だ。
――だからといって物語が面白いわけではない。

観客はポニョと少年の恋の行方を心配するだろう。誰も地球の危機など心配はしていない。
あんな焼餅焼きなポニョが魔法の力を無くして人間になってしまえば、少年との破局は目に見えている。ポニョが捨てられて泡になるかもしれない不安を残しているにもかかわらず、宮崎監督は地球が危ない話ばかりしている。
その独りよがりともとれる世界観の設定と説明は数多くの幼い観客にとって共感できる部分が全く無い。
しかも物語はリアルな日常から始まるのに、ラストは街が水に沈んでも笑っている住民達が描かれ、ファンタジーでもない中途半端なラストに終わってしまっている。『パンダコパンダ雨降りサーカス』(1973/脚本:宮崎駿)の焼き直しのようだ。

それはまったく宮崎監督の心の世界で、だんだん末期のクロサワみたいになってきた。――誰か注意してやれよ〜。
注意できる人が周りにいないのなら、もう作家としての晩節を全うしてくださいとしか言いようがない。
子供向け作品は特に脚本に力を入れて欲しいものだ。

2010/02/02 (火) 『ワイルドパンチ』

都内では二年ぶりに雪が積もった。
今日はフィルムセンターで内田吐夢の『暴れん坊街道』だったが・・・それをパスして家で主婦する。

古着の襦袢(花嫁衣装用)を300円で買ってきて、洗ってほどく。結構手間だが絹100%だから染め直してシャツに仕立てる予定。
晩ご飯はポトフ。パンとクッキーを焼く。
♪みなさんこれが私の今日一日の仕事です。トゥリャトゥリャトゥリャトゥリャリャ・・・♪

○『ワイルドパンチ』(1969/サム・ペキンパー)−−脚本:ウォロン・グリーン、サム・ペキンパー。米映画。
最初っから終いまで血と暴力で綴られる、強盗団ワイルドパンチのメキシコへの逃避行。そこには甘っちょろい正義も人情も小難しい思想も無い。
この作品を“男のロマン”と評価する人もいるが、ただの暴力映画映画と言ってしまえばそれだけだ。ただ、肉食系男子の生き方をこのまで描ききった映画は他に見たことがない。

最後に生き残った一人はこれだけ多くの仲間を血反吐の中で失ってもまだ新たな旅に出ようとする。疲れ切っていても飛び続けることを止めないラストシーンが印象的。
それはやはり一種の感動で――、もし劇場で見ていたら私は終わってもしばらく座席を立たなかったに違いない。問答無用の男の性(さが)を描いた傑作。
公開版より10分ほど長いディレクターズカット版146分。

2010/02/01 (月) 『若様侍捕物帖 謎の能面屋敷』

冷たい雨。いきなり寒くなったのでハーブを室内に避難させる。
娘は傘を忘れてずぶ濡れで帰ってくる。こういうヤツだから心配。
あ、雪になってきた。

○『若様侍捕物帖 謎の能面屋敷』(1950/中川信夫)−−脚本:井上梅次。撮影:友成達雄。製作:新東宝、伊藤プロダクション。
黒川弥太郎の若様侍。この若様は正体不明ではなく北町奉行の息子。連続殺人犯を捕らえないとオヤジが切腹というので事件解決に乗り出す。
若様ってねえ、もっと飄々として欲しい。黒川の若様は硬すぎでトウが立ってる。シリーズの第一作目だからこうなのかな?
中側監督はチャンバラアクションよりも情感の描写に力を入れているようだ。

脇に河津清三郎、大河内伝次郎、江川宇礼雄、杉山昌三九、柳家金語楼ら。
町娘の香川京子が可愛い。

2010/01/31 (日) 『女殺し油地獄』

まだまだセンター大失敗のショックから立ち直れない。――私が。
娘の将来の心配よりむしろ今現在のお金の心配だ。
今週は滑り止めの私立の受験。合格したら嬉しいんだけど、授業料をどこからひねり出すかと毎日金の心配だ。

公立高校は授業料ゼロになるそうだけど、収入の少ない家庭はとっくに減免処置を受けている。一般家庭も無料になったんじゃ格差がかえって加速する。
大学も減免処置を大幅に増やして欲しい。

○『女殺し油地獄』(1957/堀川弘通)−−脚本:橋本忍。原作:近松門左衛門。撮影:中井朝一。
何度見てもよくできている。

【遊女遊びや何やらで親戚中に迷惑かけ続ける不良息子。こいつが一人いるだけで、もう一家はドツボ。常に金の無心をされていても跡取り息子だけに母も義父も甘やかす。が、それでもまだ金が足りないとアホ息子はついに強盗殺人を犯してしまう・・・】

けっして古典的な悲劇ではなく、いつの時代でも共感を呼ぶ物語。見終わった後に色々と考えさせられる。
ただ昔のほうがあっさり勘当できたぶん子供は真面目に生きようと努力しただろうし、殺人犯はあっさり獄門磔になるので現代より再犯率は低かったろう。
そのどうしようもない甘ったれ息子を梨園の御曹司である中村扇雀が演じ、これがぴったり。
義父の中村鴈治郎、母の三好栄子、妹の香川京子、殺される親切な隣人に新珠三千代と、全て良い。

堀川弘通監督作品は佳作が多いのになかなか放映されず勿体ない。
殺人犯の罪と罰を描く『白と黒』などやはり今日的な題材で好きな作品だ。

2010/01/21 (木) センター惨敗じゃあああ〜〜〜!

アホ娘のセンターの自己採点結果出る。風邪で熱があったとはいえ、あまりの惨敗!
「去年より100点も下がるとは、どういうわけだあ〜ッ!!」
「で、でも国語は出来たよ!」
確かに。――だが理系を受けるのに国語の偏差値高くて何の意味がある!?
もう泣きたい。理系の母が鬼籍に入ってて本当に良かった。
ともかく数学と英語で受験できる大学を選ぶしかない。

娘に振り回される毎日・・・。とうぶん落ち着いて映画見られそうにない(タメ息)

2010/01/19 (火) すっかり主婦

良い天気。
朝から夫の枕カバーを洗濯。が・・・、これは三十年間洗ってないね!?
あまりの汚さに蕎麦殻を全て出して干す。カバーは焼却!
端布を出してきてアイロンかけてミシンで縫って新しいカバーを作る。
座椅子も崩壊しかかってるので、その辺のエアーキャップを詰めてクッション再生。座椅子カバーも作り直す。
もう裁縫というより工作だ。朝から夕方までかかる。
――で、夕方からはコロッケ作り。
皆さんこれが私の今日一日の仕事です。♪トゥリャトゥリャトゥリャトゥリャリャ〜♪

昨日は一日おでん作ってたし、明日は春の陽気になるらしいので大洗濯。餅消費のための善哉を作る予定。
娘に「すっかり主婦だね」と言われる。
――誰のせいで主婦やってると!!!???

♪こんな風に過ぎていくのなら/いつかまたどこかで何かに/出会うだろ♪
浅川マキを聴いていると、何か心のつかえが取れる気がする。それは人生を達観したような“諦め”かもしれない。

2010/01/18 (月) 浅川マキ追悼

センター自己採点の日。娘が予備校から機嫌良く帰ってくる。
「国語、すごく出来てたよ!」
――物理は!?数学はっ!?
「国語と英語で受験しようかなあ」
――ビシ!バシ!ビシ!バシ!!
国語が出来ないから理系の大学を選んだんだろうがッ!今さら何の寝言を言うかッ!

精神落ち着けるためYoutubeで浅川マキを聴く。
ストイックなほどに孤独。人生の切なさまで感じる歌詞。
こんな大人の曲が巷に流れてたんじゃ、みんな大人になるしかないわなあ。高度成長期の空気の底にうごめく女の侘びしい歌。いまどきの30才はこんなの誰も歌わない。
――追悼で10曲ほど聴く。そして黙祷。
「夜が明けたら」「少年」好きだった。彼女の歌は永遠に残る。

2010/01/17 (日) センター二日目終了

フィルムセンターの『白昼の通り魔』も『青春残酷物語』も新文芸座の『太陽の季節』もパスして、一日中わたしは台所で献立に頭を悩ませている。
「子供を育てるってことは自分のやりたいことを我慢することだ。お前にそれが出来るか?」←―って『狐の呉れた赤ん坊』のセリフが身にしみる。

土日二日がかりのセンター試験ともかく終了。
風邪で寒気がしてお腹が痛くて」と娘はくたくたで帰ってきたが、そんなのいまさら言い訳にならない。明日は自己採点で出願先を検討。安い大学ならどこでもいいのだが――。

十日後は滑り止め私立の試験。その次の週もそのまた次の週も・・・と受験本番始まったばかり。

2010/01/15 (金) センター試験前日

三日前から娘は熱出して寝込んでる。この期に及んで・・・!!
も〜う、知らん!!
ブチ切れながらも薬買いに走ったり、おかゆ作ったりあれこれ娘に振り回される。

いよいよ全国一斉センター試験。
朝から晩まで二日がかりで五教科七科目。真面目でなけりゃやってられねえ。前年のセンターの成績が使えればね、せめて全ての国公立に願書出せればね・・・。お国はもっと合理的な入試を考えてくれないと不経済で仕方がない。
この二年間で娘が学問に向いてないことがよっく分かった。それが分かっただけでも浪人して良かった。
かといって超氷河期の今日、浪人生が就職できるはずもない。――にもかかわらず全然緊張感の無い“ゆとり世代”のアホ娘・・・ッ!
自衛隊が入れてくれればなァ・・・

ともかく栄養つける朝のスープを作ってやる。

2010/01/11 (月) 成人式はパス

土曜日はマイミクさんと駅前で昼食。久しぶりにおしゃべり。
――こういう愚痴な無駄話ってストレス解消に必要だよね。

日曜日は百観音でどんど焼き。松飾りを焼いて善哉をいただく。
――竹串に餅を刺して焼くのも楽しいし、ちゃんと小豆から作った善哉は美味しいので人気があって、今年はとうとう整理券発行。何とか売り切れ前に間に合った。

月曜日は祝日。成人式・・・だった。世間は。
――女の子にとっては重大イベントだったが、娘はセンター5日前でパス。小学校の時の同級生に会えなくて残念だっただろうけど、会場に一度に入りきれず二回に分けてイベントしたようだから、みんながみんな会えたとは限らない。
受験が終わったら写真だけでも振り袖着せて撮っておこう。

娘を中心に動く今日この頃。なかなか落ち着いて映画を見ようという気になれない。
しばらく朝から晩まで台所だ。

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